1810年代半ばの作と考えられる。ベートーヴェンに続く世代のピアニスト=コンポーザーたち、即ちクラーマー、フンメル、フィールド、クーラウ、カルクブレンナー、ツェルニー、モシェレスといった人たちはピアノの機能性の開発と軌を一にして活動したが、この世代のフランス音楽は未だほとんど知られていない。それを象徴するのがヅィメルマンであり、洗練された独自のピアニズム、自在なフォルム感が認められよう。現在確認できる唯一のソナタである。カテル(Charles Simon Catel, 1773-1830)に献呈。