スカルラッティ, ドメニコ :ソナタ イ短調 K.54 L.241
Scarlatti, Domenico:Sonata a-moll K.54 L.241
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開1 展開2 展開3
執筆者 : 丸山 瑶子 (233文字)
全体的に見て、左手は中音域より上にあることが多いため、相対的に低音域の響きが際立っている。この左手の音域の高低移動は、音響を対照づけるだけのものではない。例えば第16、20小節では左手が低音域に下がり、終止カデンツ進行となるが、それまで低音域が限定的に使われていたため、一層このカデンツの響きが強調されてくる。第45小節からは右手を跨いで跳躍する左手が、最上声と最低声の2声に下行音階を形成している。音域の設定は、楽曲の和声や形式構造と密接に関連していると言えよう。
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