團 伊久磨 :3つのノヴェレッテ
Dan, Ikuma:3つのノヴェレッテ
解説 : 長井 進之介 (524文字)
團伊久磨は幅広いジャンルの創作を手がけたが、ピアノ独奏のために書いた作品は意外にも 少なく、若い頃の習作を除くと彼のピアノ独奏 曲は《ピアノ・ソナタハ調》(1947年)、 《NHK ラジオ放送第2》(1952年)、そして《3つのノヴェレッテ》の3曲のみであった。作曲当時、 團は室内楽作品や交響曲、管弦楽を伴う合唱曲 といった作品を同時に手掛けていたこともあり、多様に変化していくダイナミクスや3段譜の使用など、ピアノ曲の枠を超え、オーケストラの響きへの志向を見出すことができる。初演はピアニストの中村紘子(1944~2016)が行っている。アレグロ・モデラートの第1曲は、全音階と半音階の交錯と多様なリズムパターンが 融合したパッセージによる部分と、聖歌を思わせる和声的な部分から構成され、様々な楽想が自由に展開していく。なお、第1曲の旋律や音型が全曲で使用され、循環形式を意識したことが窺える。アンダンテ・ソステヌート・エ・ミ ステリオーソの第2曲は歌謡性の強い、自由な3部形式。ペザンテで開始する第3曲は力強い オクターヴや和音を打ち鳴らすファンファーレ的な部分と、アレグロ・レッジェーロと指示さ れた無窮動の部分とが交錯するロンドである。
第1番
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第2番
第3番
3つのノヴェレッテ 第1曲
3つのノヴェレッテ 第2曲
3つのノヴェレッテ 第3曲
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