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バッハ :平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第15番 前奏曲とフーガ BWV 860 ト長調

Bach, Johann Sebastian:Das wohltemperierte Clavier, 1 teil, 24 Praludien und Fugen Prelude und Fuge Nr.15 G-Dur BWV 860

作品概要

楽曲ID:22513
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:3分50秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:E級級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:19件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (2089文字)

更新日:2018年3月12日
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第15番 ト長調 BWV860 プレリュード:  技術的に困難なプレリュードです。特に手の小さな学習者にとっては非常に弾きづらいプレリュードになると思われます。このプレリュード、テンポは速ければ速いほど良いと思いますが、少なくとも4分音符が85位は欲しいところです。8分音符の連符は全てスタッカートにして、leggieroで、しかし十分なダイナミックの幅の中で演奏したいところです。  さて、このプレリュードを速く演奏しようと思うと色々な問題が出てきます。例えば5小節目の左手です。最初の16分音符3つのグループ、D Cis Dは、どうしても521という指使いしか考えづらいのですが、DからCisの7度がとても広いので、5から2という指使いは特に手の小さな人にとっては大変困難になります。そこで、このようにリーチの問題で無理があるユニットに関しては、右手で助けてあげるのも1つの方法です。最初のDは左手の5で取り、あとの2つの音を右手で演奏する方法です。次のE Cis D も厳しいですので、この2つのユニットくらいは右手で取っても構いません。まともに弾いたとき、粒ぞろいが崩れる場合は検討してみて下さい。  このプレリュードの形式はとても単純で、ピークポイントは11小節目になります。ここに向かって進んでいき、そこから衰退していくことを念頭に置きます。  13小節目以降、左手は忙しくなりますが、必ずしもレガートで弾く必要はありません。むしろディタッチで軽く弾き、一つ一つの音符は鮮明に、しかしleggiero で演奏し、1つの音から次の音へ繋げる必要はまったくありません。 フーガ:  86小節もある長いフーガです。ピークポイントはいくつかあると思いますが、基本的には曲が後半に入ってからの方が盛り上がりが多くあります。後半に入ってくると例えば55小節目に32分音符が出てきたり、64小節目や69小節目のような長いトリルが出てきたりします。極めつけは79小節目で、全声部が主題を同時に奏でるというとてもテンションの高い部分があったりします。  シークエンスは3小節間、1小節ずつ3つのシークエンスが登場することが多くあります。ダイナミックコントロールを必ず付けて、3つのシークエンスが平坦にならないようにすることが重要です。  全体のテンポは、後に出てくる32分音符が無理なく聞こえるテンポで良いと思いますが、例えば、コーダに出てくる多くの32分音符は、この部分だけ少しブローディングして、遅めに、大きく演奏すると良いでしょう。このコーダをインテンポ通りに演奏するととても機械的で不自然に聞こえます。  それでは冒頭から解説をしてみましょう。冒頭、8分音符はスタッカートのアーティキュレーションで、あまり速すぎなくleggieroでスタートします。2小節目のゴールの音は4分音符のCですので、このCには少しアクセントを与えます。続いて3小節目はゴールの音がEになりますが、2小節目よりも大げさにほんの少しだけ間を取ってたどり着くと良いでしょう。5小節目アルトが出てきます。11小節目、バスが出てきてやっと3声が一緒になります。17,18,19小節と、1小節単位のシークエンスが来ますが、これは下行していますね。故に、16小節目でクレシェンドをかけておき、17にたどり着くようにします。  20小節目、インヴァージョン(反転)G-durのテーマがアルトに来ます。24小節目、ソプラノにD-durのテーマが来ます。28小節目、バスに再びG-durのテーマが来ます。31小節目から次のテーマが来る38小節目までシークエンスやエピソードが続きます。38小節目のテーマはe-mollで来ますので、奏者の考えに従い、クレシェンドでたどり着く、あるいはディミヌエンドでたどり着くなど、e-mollが自然に入れるようにダイナミックをコントロールします。e-mollのセクションでは、38小節目にソプラノ、43小節目にアルトが出ますが、47小節目はバスが入ってきて、音量的にも大きくなる部分です。次に待っているシークエンスも下行形ですので、47小節目に向かってクレシェンドをかけていきます。  48-50小節間のシークエンスの後、51小節目にて、h-mollのテーマがソプラノに、52小節目でストレッタになり、バスにテーマが入って来ます。60小節目、アルトにD-durのテーマが入ってきます。この辺りが恐らく、ダイナミック的には最も大きくなる部分と思われますので、テンションをどんどん高めていきます。  恐らく65-67小節間のシークエンスが最もダイナミック的には大きなシークエンスになると思います。69小節目のテーマを終え、77でG-durのテーマに入りますがここも相当テンションが高いです。そして79小節目、3つの声部が同時に1つのテーマを演奏します、82小節目、少しだけテンポを緩めて、83小節目のコーダに入ります。前述しましたように、このCodaは全体のテンポを緩めたまま終わります。

執筆者: 大井 和郎

楽章等 (2)

第15番 前奏曲

調:ト長調 

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第15番 フーガ

調:ト長調 

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