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バッハ :平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第18番 前奏曲とフーガ BWV 863 嬰ト短調

Bach, Johann Sebastian:Das wohltemperierte Clavier, 1 teil, 24 Praludien und Fugen Prelude und Fuge Nr.18 gis-moll BWV 863

作品概要

楽曲ID:22516
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:3分50秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:E級級

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:19件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1767文字)

更新日:2018年3月12日
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第18番 嬰ト短調 BWV863 プレリュード:  一見単純なプレリュードに見えますが、層の厚いポリフォニーで書かれており、場所によっては急に4声体になったりします。故にポリフォニー的な注意が必要なプレリュードです。冒頭から見ていきましょう。1小節目、右手の主題はEをゴールとし、そしてEを境に衰退して2小節目のHにたどり着きます。よって、2小節目最初の音であるHにはアクセントは付けてはいけません。ところが、2小節目、ソプラノは高いGisまで上がり、Fisisに降りてきます。このFisisにアクセントは付けません。Gisよりも弱く弾きます。しかしながら左手は、1小節目の右手がそのまま1オクターブ下から始まっているだけに過ぎません。よって2拍目のEは頂点と考えますので、左手は2拍目表拍を大きく、右手は小さくします。その他、2拍目の左手Disは次の小節までタイで伸ばされていますし、2小節目そのものが既に4声体になっています。これらの例のように、各声部が理にかなうように細心の注意を払います。  1小節目の左手や、3小節目の左手のように、タイで繋がれて次の拍、または次の小節に繋がるパターンは、バスが切れてしまったりしないように注意します。1小節目、3小節目ともに左手は2声ですので、こちらも両声部を大切に扱い、不必要に切ってしまわないようにします。  5小節目、左手1拍目の8分音符は前の小節からの解決音です。アクセントは付かないように。ここはH-durに転調しましたので、音は柔らかめで良いのではないかと思います。しかしすぐに今度はCis-mollに転調し、9小節目で1つの山場を迎えます、和声も減7の響きですね。ここはテンションを高めます。その後シークエンスを辿りながら下行し、14小節目Dis-mollにたどり着きます。  ここから徐々にクレシェンドをかけ、このプレリュードの頂点的場所である、18小節目に向かって行きます。  ところで、プロのピアニストでも見逃してしまう場所があります。15小節目のバスにある2つの付点4分音符です。これが何故か切られてしまう演奏が多くあります。休符を作らず、次の音に繋げるようにします。  24小節目右手、8分音符の連打音は乱暴になりがちなので(切れてしまうため)、ペダルでスムーズに繋げます。26小節目は2拍目から少しテンポを落とし、十分に時間を取って27小節目に入るようにします。その際、たどり着く右手の音Gisは本来であれば解決音ですので、大きくすることはないのですが、この27小節目のGisは3小節間、フェルマータも含めてタイで伸ばされます。そのために少し大きめにGisを弾く必要があります。 フーガ:  テーマは1小節目から3小節目最初の音であるDisまでとします。色々な意見もあるかとは思いますが、テーマのアーティキュレーションは基本的にはレガートで演奏し、2小節目、3-4拍間、同じ音のペアが2つ来る部分に関してはスタッカートにします。勿論セミスタッカートでも構いません。しかしながら例えば、4小節目のように右手アルトがスタッカート、左手8分音符2つが音価の通り8分音符分伸びると仮定したとき、左右の手が同じ8分音符でも、片方が短く、もう片方が音価通りに弾いた方が声部は独立して聞こえます。要は2つの異なった素材はできる限り異なったアーティキュレーションで演奏することで声部を独立して聞かせることができます。曲中、1箇所だけこのアーティキュレーションがほぼ不可能な場所があります。18小節目のテノール、3-4拍間の8分音符です。ここは他の声部との兼ね合いからペダルを踏まざるを得ず、結果、スタッカートを失いますが、それで構いません。  また、テーマを出すのに大変苦労しなければならない部分が1箇所あります。32小節目の2拍目から始まるテノールのテーマです。他の声部が相当入り乱れていますので、やはりこのテーマを明確に聴かすことは困難になりますが、是非テーマを意識して練習して下さい。  41小節目は最後の小節になりますが、ここは版によって短3和音で終わる版と、長3和音(ピカルディー終止)で終わる版と両方あります。一応ヘンレー版はピカルディー終止で終わります。ご参考まで。

執筆者: 大井 和郎

楽章等 (2)

第18番 前奏曲

調:嬰ト短調 

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第18番 フーガ

調:嬰ト短調 

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