ベートーヴェン :11のバガテル 第3番 Op.119-3 ニ長調

Beethoven, Ludwig van:11 Bagatellen Nr.3 D-Dur Op.119-3

作品概要

楽曲ID:23004
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:バガテル
総演奏時間:1分40秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 鐵 百合奈 (411文字)

更新日:2019年10月6日
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à l'Allemande アルマンド風に

アルマンドはフランス語で「ドイツ風」を意味する。16世紀頃フランスの宮廷で成立した、アウフタクトで始まる多声的な様式の、中庸のテンポで奏される4拍子系の舞曲。

この第3番は8分の3拍子だが、1小節を1拍と捉えれば、4小節で1まとまりとなっているため、4拍子系というアルマンドの特徴を踏襲している。また、アルマンドは1拍を3分割する特徴も有しており、1小節=1拍の捉え方はアルマンドの性質に見事に合致している。構成はABA+コーダの三部形式。A部分は、優雅な右手のアウフタクトから始まり、左手が対位法的に重なるが、対位法部分は展開されず、アウフタクト部分をくり返すのみで終わってしまう。まるで「あのね、あのね、…」と、話をなかなか切り出せない幼子のよう。B部分はむしろクーラント(16世紀頃アルマンドとカップリングされていた、拍が3分割される速い舞曲)の雰囲気を持ち、流暢に喋る。

執筆者: 鐵 百合奈