ベートーヴェン :6つのバガテル 第4番 Op.126-4 ロ短調
Beethoven, Ludwig van:6 Bagatellen Nr.4 h-moll Op.126-4
解説 : 鐵 百合奈 (271文字)
Presto 極めて速く
第3番からさらに長3度下のロ短調(第3番の変ホ長調を異名同音の嬰ニ長調に読み換えて考える)。ロ短調は不吉な調であり、ここでも悪魔的に打ち付けるような曲調となっており、とくに属音Fisの連打(冒頭のアウフタクトや、第21小節目、第25小節目など)が不気味。幸せに満ちたロ長調の中間部(第52小節目~)は、初期のピアノソナタ第7番第2楽章第36小節~の、切々と訴えるように歌う極めて印象的な楽想と、右手の音形が同じである(左手は《田園》風の音型)。ベートーヴェンが、昔の曲を回想して掬い上げ、救済を与えているのであろうか。
6つのバガテル 4. ロ短調 op.126-4
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