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ショスタコーヴィチ :ピアノ・ソナタ 第1番 Op.12

Shostakovich, Dmitry Dmitrievich:Sonata for piano No.1 Op.12

作品概要

楽曲ID:2790
作曲年:1926年 
出版年:1926年 
初出版社:Muzykalny sektor
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:15分00秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

執筆者 : 和田 真由子 (607文字)

更新日:2007年12月1日
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(1926年11月、レニングラード音楽院で作曲され、同年12月にショスタコーヴィチ自身によって初演された。当時、ショスタコーヴィチは、西欧の新しい音楽に深い興味を示しており、ストラヴィンスキープロコフィエフヒンデミットクシェネックらから大きな影響をうけた。この作品は、ショスタコーヴィチの初期のモダニズム、ラディカルな姿勢をよく示す怪作の一つである。しかし、そのあまりに前衛的な性格のためか、後にショスタコーヴィチ自身はこの作品に対して否定的は発言をしている。初期作品にしかみられないような書法の数々は、注目に値する。演奏所要時間は、約15分。

音楽は、単一楽章からなり、主に2つの主題が自由な展開をみせる。伝統的なソナタ形式にはのっとってはいないが、レントで奏される静かな中間部があり、これに緩徐楽章的な役割が与えられている。

音楽は非旋律的、その印象は極めて抽象的である。暴力的ともいえるほど力強く、重量感あふれる音楽の中に、めまぐるしく動き回るパッセージ、密なテクスチュア、半音階的な動き、不協和音の連続、平行和音の多用、オルガン風の響き、クラスターの効果など、あらゆる書法が盛り込まれている。この作品をみても、ショスタコーヴィチの、ピアニストとしての卓越した技量がうかがえるだろう。ちなみに、この作曲の翌年、ショスタコーヴィチは、第一回ショパンコンクールにソ連代表として出場しており、名誉賞を与えられた。

執筆者: 和田 真由子
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