ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第2集から) クーラント HWV 437
Händel, Georg Friedrich:Suite Courante HWV 437
演奏のヒント : 大井 和郎 (404文字)
前半と後半に分かれていて、前半・後半ともに、最後の部分がピークポイントとなります。ハーモニックシークエンスを考えには入れずに転調のみを考えたとき、d-moll、F-dur、a-moll、の3つの調に転調します。前半、d-mollで始まり、10小節目でF-durのカデンツを迎え、13~15小節間、a-mollに転調しますが、a-mollのピカルディー終止で前半を終わります。ここはテンションが高い部分となります。しかしこのa-mollのピカルディー終止は、d-mollのドミナントを連想させる働きもあります。
後半はd-mollで始まり、すぐ穏やかなF-durに転調となりますが、33小節目より和音が1拍目に入ってきて、上行形シークエンスが始まり、38小節目でピークを迎えます。
奏者はこの一連の流れを把握し、強弱を付けて下さい。d-mollは厳格に、F-durは穏やかに進ませることでスムーズに音楽が流れます。
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