ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第2集から) アレグロ HWV 441

Händel, Georg Friedrich:Suite Allegro HWV 441

作品概要

楽曲ID:30449
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:3分10秒
著作権:パブリック・ドメイン
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (577文字)

更新日:2024年9月16日
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まずこのような、ある種の流れを描写(心理的でも絵画的でも)する曲は途中で音楽を止めてはいけません。如何なる場合も流れを止めずに、余計な時間を取らずに進むようにします。

そしてこのような、アルペジオが主体となる曲は、これらを和音に直すと判りやすくなります。例えば1~2小節間で言えば、1小節目1~2拍間は下の音からGGHDG、3~4拍間はDDDFisA、2小節目1~2拍間はGGDGH、3~4拍間はDDDFisAとなり、2小節目の1~2拍間が山の頂上となりそこに向かって行き、そこを頂点に下行することがわかります。

3~4小節間のような下行形シークエンスは単純にディミヌエンドで処理をし、6小節目でオクターブ下のGまで下がりますのでここが前半でもっとも弱くなる場所とします。

ここから再び上行しますが、7小節目でCがCisに変わり、D-durとなり、テンションは急激に上がります。最後はD-durのカデンツ(終止)で前半を終わります。

奏者は、その調の中でのフレージング(シェーピング)、に気を遣い(平坦にならないように)、そして転調した調のムードを作り、ハーモニックシークエンスを見極め(転調と混同しないように)、全体の強弱を決定してください。

雰囲気的には大変穏やかで、深刻なムードではありません。ただし「流れの継続」が重要で、途中で音楽を止めないようにします。

執筆者: 大井 和郎
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