モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第10番 第1楽章 K.330 K6.300h
Mozart, Wolfgang Amadeus : Sonate für Klavier Nr.10 Mov.1 Allegro moderato
作品概要
解説 (2)
解説 : 岡田 安樹浩
(310 文字)
更新日:2019年6月19日
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解説 : 岡田 安樹浩 (310 文字)
第1楽章 4分の4拍子 ハ長調 ソナタ形式
32分音符による音階と装飾音型、16分音符の分散和音を素材とする主要主題で開始される。装飾的なパッセージによる移行部(第19小節~)を経て、第34小節より属調で副次主題があらわれる。主要主題と副次主題双方の素材からなるコーダ(第54小節~)によって、ト長調で前半を閉じる。
後半部分(第59小節~)は、まずト長調からイ短調へ転じ、再びト長調を経由して主要主題の主調再現(第88小節~)を迎える。移行部の変形(第109小節)によって、属調ではなく主調にて副次主題を再現(第121小節~)する。
第141小節からのコーダは、前半の終結部分に後半部分冒頭の移行楽想が回帰して楽章を閉じる。
演奏のヒント : 大井 和郎
(614 文字)
更新日:2025年7月21日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (614 文字)
劇的要素が強い第1楽章ですが、他のソナタに比べて、小規模で、コケティッシュな要素も見られる曲です。勿論、これだけ速い32分音符を実際に歌う事は出来ないのですが、歌が背景にあることは明らかですので、歌心を持って弾いて下さい。
女性が自慢話をしていたり、指輪やドレスを見せびらかしたり等、真面目で深刻な歌ではなく、楽天的で楽しく、色気もある歌と考えます。伴奏が殆ど無く、1人で歌っている場面(34〜41小節間)もあれば、しゃべり出したら止まらない女性がしゃべり続けている場面(42〜53小節間)、等、想像力を働かせて、どのような場面であるかを想像してみてください。
唯一感傷的になる場面(77〜78小節間)もありますが、すぐに機嫌を取り戻し(83〜85小節間)、もとの歌に戻ります(88小節目)。
このソナタはモーツアルトのソナタの中では比較的、技術は楽な方のソナタに入りますが、129〜130小節間のトリルをかなり頑張る奏者の方々もいます。それはそれで良いと思うのですが、そこで時間を取ってしまわないようにするために、例えば129小節目は、
CDE GFEFG HAGAH と言う具合に、別の音を1つのトリルに付き1つだけ余計に入れることで演奏は楽になります。
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