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モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第3番 第1楽章 K.281 K6.189f

Mozart, Wolfgang Amadeus : Sonate für Klavier Nr.3  Mov.1 Allegro moderato

作品概要

楽曲ID: 30489
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:4分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:E級

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:9件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (714 文字)

更新日:2025年7月21日
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器楽を意識した第1楽章ではありますが、オクターブも多く出てきて、スケールが大きい曲でもあります。しかしながら、その中でも繊細さを忘れないようにしなければなりません。この第1楽章には多くの非和声音が含まれており、それらの多くは強拍の位置に書かれています。強拍の位置に非和声音が来るときは、作曲家が自ら、その音を強調したいからであり、奏者はそれなりに気を遣って下さい。32分音符が出てくるからと言って、練習曲のように暴走してしまわないように気をつけます。

例えば27小節目2拍目の右手、A  F はそれぞれ、強拍の位置に来る経過音です。Aの次に書かれているGが解決音ですので、解決音の方を弱く弾きます。Fの次に書かれているEが解決音ですので、解決音の方を弱く弾きます。

次の28小節目の1拍目右手にはGが書かれており、これは、倚音です。次に書かれているFが解決音ですので、解決音の方を弱く弾きます。

2小節目1拍目の冒頭に書かれているCは、非和声音です。この和音は、BDFなのですが、Cが冒頭に入ってきます。1拍目にはもう一個Cが来ますね。この場合、2拍目のDを解決音と考えます。従って1拍目は表拍に音量を与え、2拍目に近づけば近づくほど音量を下げて、Dに達するようにします。

42小節目1拍目右手のDも稽留音ですし、43小節目1拍目右手のCも同じく稽留音です。このように、多くの非和声音の存在を決して、何事もなかったように弾かないことが演奏のヒントになります。

執筆者: 大井 和郎

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近藤 由貴