モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第4番 第1楽章 K.282 K6.189g
Mozart, Wolfgang Amadeus : Sonate für Klavier Nr.4 Mov.1 Adagio
作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(761 文字)
更新日:2025年7月21日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (761 文字)
プログラマティックなソナタ、つまり、第1楽章のみが重要では無く、最終楽章も重要で、そこまでに行く過程が、プログラムの如く、例えばベートーヴェンの「告別」のような、ストーリー性があるソナタは、ベートーヴェンの時代から始まったとされていますが、このソナタも、プログラマティックなインスピレーションがあるような気がします。
第1楽章はゆったりしたアリアです。このソナタも、やはり強弱記号がフォルテのピアノのみ、筆者の見ているヘンレー版にはその2つの種類の強弱記号しか書かれていません。故に、全てのフォルテの音量が同じになったり、全てのピアノの音量が同じになったりせず、状況に応じて、同じフォルテやピアノでも、異なった音量を与えてください。
この第1楽章で重要な要素の1つはバスの存在かも知れません。バスとしてはっきり独立して書かれていませんので、わかりにくいとは思いますが、例えば4〜7小節間、11小節目3拍目から12小節目まで、22〜26小節間等、左手の5の指で、バスを残し(押さえっぱなしにするということ)、決してバスが途切れることの無いようにして下さい。
もう1つ重要なのは「方向性」です。フレーズは何処に向かって行っているのかを把握します。一例を挙げますと、1〜10小節間を見たとき、ピークポイントは9小節目で、特に、3〜4拍間の和音が、強い表現を持ちます。そして、10小節目のカデンツで落ち着きます。しかし、9小節目に至るまで、4小節目から徐々にテンションを上げて行かなければならなく、その間、テンションを決して下げることの無いようにしてください。
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