ハイドン :ソナタ 第14番 第2楽章 Hob.XVI:3

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.14 Mov.2 Andante

作品概要

楽曲ID:32143
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用4 応用5 応用6

楽譜情報:5件
  • クリックして画像を開く
  • tab

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (633文字)

更新日:2025年1月26日
[開く]

Andanteで2拍子なのですが、どの位ゆっくりなのでしょうか?そしてこの 第2楽章は器楽的要素なのでしょうか?筆者はこの第2楽章は、アリアの要素が強いと考えています。例えば23~26小節間に出てくる、32分音符のスケールが、忙しかったり、圧迫すること無く、さながらオペラ歌手が楽しそうに歌うように、弾かれるべきではないかと考えています。

つまりは、器楽的と解釈した場合、躍動的であったり、技巧的であったりしてしまい、それはそれで1つの考え方として構わないのですが、いずれのケースにしろ、極端に忙しく聴こえさせないように、あくまでも、Andante という事を念頭に置いてください。

ピアノの耳障りな音というのは、同じ音が連続するときに起こりやすくなり ます。冒頭のメロディーである、1小節目の、DDDDという右手の主題は、 あっちこっちに出てきます。本来はこれがメロディーラインで、その下の伴奏形である、音階は、あまり出さないようにしてバランスを保つのですが、この曲に関しては少し調節をします。

右手のDDDDの音量を極力抑え、方向性を持たせ、例えば1小節目からの DDDDは、2小節目の1拍目表拍のDにたどり着くように弾きます。決して4つのDが同じ音量にならないようにします。その上で、DDDDの音量を控え、伴奏の、HAGを少し際立たせることで、DDDDが耳障りになる事を防いでくれます。DDDDが耳障りにならないような、色々な左手とのバランスを試してみてください。

執筆者: 大井 和郎