ハイドン :ソナタ 第16番 第1楽章 Hob.XVI:14

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.16 Mov.1 Allegro moderato

作品概要

楽曲ID:32148
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:6分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展1 発展2 発展3

楽譜情報:6件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (523文字)

更新日:2025年1月26日
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ゆっくり目のmoderatoで、2声で進行する部分が多い第1楽章です。この第1楽章を演奏するにあたり、注意点が2つあります。1つは2声で進行する際の、各声部の音質の問題です。例えば12小節目、2声は割と近い位置にあることが判りますが、この2声を全く同じように弾いてしまうと、聴いている側には、Fis D Fis A E G D Fisと聴こえかねません。実際に聴かせたいのは、上声部の、D A G Fis または、下声部の、Fis Fis E D です。どちらかを優先させ、どちらかを控えめにすることで、声部の混同がなくなり、かつ、機械的で縦割りの演奏を避ける事が出来ます。

出したい方の声部を煌びやかに、もう一方の声部を大人しめにすることで、音楽が横に流れます。

2つ目は、タイミングの問題です。例えば、24~27小節間、小節線をま たいでいるタイは確実に長さを守るようにします。この部分は2拍目に32分音符が来ますので、これが裏拍に聞こえないように、つまりは、聴いている側が、拍を失わないような配慮が必要になります。一度拍を失ってしまうと、取り返すのに結構時間がかかる書法ですので、タイミングはメトロノー ムに近い、正確な演奏が望ましいです。

執筆者: 大井 和郎