ハイドン : ソナタ 第59番 第1楽章 Hob.XVI:49 op.66
Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.59 Mov.1 Allegro
作品概要
解説 (2)
解説 : 大井 和郎
(636 文字)
更新日:2025年5月30日
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解説 : 大井 和郎 (636 文字)
多くの捉え方が出来る有名なソナタの第1楽章ですが、筆者個人的には、このソナタは楽天的と考えています。もっともしっくりくる考え方としては、この第1楽章をオペラ1シーンと考えます。テノール歌手が自慢げに歌い上げるシーンと考え、歌詞の内容は何かに期待をする、期待感の表現と考えます。音域の高い部分は、テノール歌手ではなく、別の歌手が登場して歌っていると考える事もできます。
42小節目テノール歌手と、ソプラノの歌手の掛け合いが始まります。53小節目、ソプラノ歌手の笑い声が、EsEsEsEs と始まり、もう1人がそれに対して、AsAsAsAs と笑い返し、58小節目で打ち解けるようなイメージでも構いません。
展開部、65小節目より弦楽4重奏をイメージして、弦楽器の演奏が始まります。84小節目、c-mollに入りますが、これも決して深刻ではなく、すぐ長調に変わり、再び期待感が高まります。
108小節目、再び笑い合いが始まります。深刻そうな減7の和音が出てきでも、すぐに長3和音に変わり、楽天的な雰囲気に戻ります。
基本的に、この第1楽章全体が、楽天的な世界と考え、軽快で、楽しく弾きます。注意すべきはタイミングです。休符が長く続くところも、きちんとカウントし、余計な時間を取ったりしないようにしてください。
解説 : 齊藤 紀子
(298 文字)
更新日:2020年2月9日
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解説 : 齊藤 紀子 (298 文字)
第1楽章の変ホ長調はアレグロの4分の3拍子。このソナタ楽章は、ハイドンのピアノ・ソナタの中では比較的規模の大きいものとなっており、再現部(第132小節~)に入る前には、カデンツァの性格を備えた楽句が1小節挿入されている。冒頭の主題は左右の手による会話を思わせる。そして、第2主題(第28小節~)に入る前の経過的な部分(第13小節~)は、主題の1つとして数え挙げられるくらい確立されたものとなっており、実際に、展開部(第65小節~)では、まずこの要素が展開されている。また、その後、第1主題の要素も見られる(第25小節~)。この楽章の最後は、右手の駆け上がる音階により、その上声は第3音で終結する。
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