ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 18の性格的な練習曲 真珠 Op.109-2
Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 18 Etudes de genre (faisant Suite aux Etudes faciles op. 100) Les Perles Op.109-2
作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(1327 文字)
更新日:2021年4月5日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (1327 文字)
全体の流れ:
Moderatoと標示されています。16小節目と、28ー30小節間のカデンツ(終止)を除き、あとは4分音符が各小節に1拍ずつ3つ、伴奏部分に書かれていて、これは途切れることがありません。つまりは、止まることなくスムーズに流れていくと理解します。
全体の構成:
歌と伴奏であると考えます。右手、ト音記号上に玉の大きく書かれている音符がメロディーラインと考えます。細かく書かれてある32分音符はメロディーラインとは考えません。
注意点その1:メロディーラインを把握し、シェープする。
右手32分音符が難しいので、ついついそちらへ気が行きがちですが、メロディーラインを把握することから始めます。まずは32分音符を弾かずに、右手のメロディーラインの部分と左手を合わせて弾いてみましょう。そうすると、例えば、1小節目の終わりから2小節目の頭に行くメロディーライン、EとGを比較したとき、Gのほうが若干音量は大きいかも知れません。同様に、2小節目の終わりから3小節目の頭に行くメロディーライン、CとDを比較したとき、この場合も、CよりもDのほうが若干大きいかも知れません(逆と考えても一向に構いません)。
しかしながら、3小節目の最後から4小節目頭にかけて行くメロディーラインEとCは、和音が解決されていること、1つのフレーズの区切り目である事などから考え、EよりもCの方が音量を少なくする(消えていくように)と考えます。
そのように、メロディーラインに方向性を持たせます。一度右手のメロディーラインのみと左手を弾いて演奏した場合、それだけでも曲になるように、メロディーラインをシェープしておきます。この状態で曲になっていれば、あとから32分音符を加えても、充分曲になります。
注意点その2: メロディーラインと32分音符は別物として取り扱う。
曲全体に書かれてある右手の32分音符はあくまで装飾的役割を果たす音符と考えます。従って、32分音符は可能な限りppで粒をそろえて弾くようにします。音色はどちらかというと、ぼやけた感じの音色が望ましく、マルカートから遠ざかれればそれに越したことはありません。
その上で、メロディーラインはハッキリとマルカートに近いように、誰の耳にも伝わるように演奏します。ところが32分音符は右手のメロディーラインが弾かれた後、すぐに登場しますね。そうすると、メロディーラインと32分音符の区別が難しくなりますね。
ここで2つのコツをお教えします。1つ目は、メロディーラインと、その後すぐ始まる32分音符の間に「余計に」時間を取ります。つまりは、メロディーラインにテヌートがかかっていて、32分音符は若干遅れて弾き始めるようにします。
それだけでもメロディーラインと32分音符が別物であることが伝わります。
そして2つ目のコツはは、メロディーラインを耳で聴き続けることです。例えば1小節目の1拍目にあるメロディー音、Eは、ペダルによってバスの音とともに延ばされますが、この時に、この音を耳で3拍目まで聴き続けるようにします。そうすることで、32分音符が自然とppになってきます。
結果、メロディーラインと32分音符を別素材として聴かせることができます。
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