バッハ : チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV 1052
Bach, Johann Sebastian : Concerto a cembalo concertato, 2 violini, viola e continuo No.1 d-moll BWV 1052
作品概要
解説 (1)
総説 : 木暮 有紀子
(507 文字)
更新日:2014年1月20日
[開く]
総説 : 木暮 有紀子 (507 文字)
チェンバロ協奏曲は、バッハのライプツィヒ時代に興隆を見せた器楽ジャンルの一つである。協奏曲における独奏楽器としてチェンバロを使用したのは、歴史上バッハが初めてであり、さしずめ彼を「チェンバロ協奏曲の父」と呼ぶこともできよう。
チェンバロ協奏曲は1〜4台用まで13曲存在する。これらはライプツィヒの学生を中心とした音楽団体である「コレギウム・ムジクム」で演奏された。そして、半分以上が他の楽器用の協奏曲をチェンバロに転用した物であると考えられている。
《1台のチェンバロのための協奏曲第1番》は、譜面が消失したヴァイオリン協奏曲の編曲版である。楽曲の成立時期は、1738年頃であると想定されている。独奏部がチェンバロ、合奏部がヴァイオリンI・II、ヴィオラ、通奏低音という編成が組まれている。第1楽章から第3楽章まで、冒頭部分ではほぼ全てのパートが同じ動きをしているが、楽曲が進むにつれてそれぞれ独立していく。特に、独奏部を担うチェンバロにおいては、中間部以降極めて技巧的な旋律が与えられている。
メンデルスゾーンは1832年にこの楽曲をピアノ協奏曲として演奏した。また、シューマンも、この作品を評価する文章を残している。
編曲・関連曲(1) <表示する>
ブラームス: カデンツァ (J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲 BWV1052) ニ短調 WoO.11
調:ニ短調 作曲年:1855 総演奏時間:0分50秒