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ギロック :こどものためのアルバム ウィンナー・ワルツ

Gillock, William:Album for chirdren In old Vienna

作品概要

楽曲ID:45144
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ワルツ
総演奏時間:1分00秒
著作権:保護期間中
ピティナ・コンペ課題曲2025:B級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎5 応用1 応用2 応用3 応用4 応用5

楽譜情報:6件

解説 (2)

演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (1063文字)

更新日:2025年4月2日
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ウィンナーワルツの持つ優雅な流れを意識しながら、アウフタクトの推進力を生かし、自然に1拍目へと向かいましょう。アウフタクトは音楽の流れを作るエネルギーを持っています。1拍目では、左右の手で作る和音の響きをよく聴き、それぞれの違いを感じ取ることが大切です。1拍目の和音にはさまざまな種類があり、その部分だけ取り出して弾いていくことで、フレーズのまとまり方が自然と見えてきます。  

例えば、1〜4小節目のフレーズでは、1拍目の和音が徐々に下行するため、閉じていく方向性を作ります。響きをコントロールしながら、フレーズ全体が自然に収束するようにしましょう。続く5〜8小節目では、6小節目の和音でバスが下がり、響きの深さが増します。ここでは低音の支えを意識しながら、ドミナントートニックの役割を感じ、響きの変化を丁寧に作ることが重要です。  

9小節目からは、アウフタクトの歌い出しに続いて、スタッカートの軽やかな伴奏が加わります。pで始めることが大切で、音量を抑えながらもこれからfへ向かっていく期待感を感じ、フレーズの源流であることを意識します。クレッシェンドの行き着く先の「ソラシレ」はエネルギッシュに、一層の推進力を感じながら弾きましょう。右手の動きが速くなる分、13小節目の2拍目の左手はしっかりと時間をとり、重みを持たせることで、音楽に安定感を与えます。こうしたアゴーギグはこの曲では随時、必要になってくるかと思います。  

8分音符のアウフタクトに松葉のクレッシェンドが書かれている部分と書かれていない部分の違いに注目してみてください。書かれている部分では、エネルギーの増加を意識して、よりダイナミックな表現を目指します。

27小節目の「poco allargando」では、少しブレーキをかけるようにテンポを調整し、次の4小節への準備を整えましょう。この部分で急激に遅くなりすぎないように、自然な流れを保つことがポイントです。  

そして、33小節目からの「vivace」では、指先の軽やかさを活かしながら、華やかに駆け抜けるような演奏を心がけます。和音がフラット系の響きを持つため、音色の柔らかさを大切にし、軽やかさの中にも優雅な表情を持たせましょう。  

最後の37小節目のアルペジオは、ハ長調のⅠの和音で、華やかさの中にも安心感と安定感のある響きを意識します。最後の和音は、おへその下の丹田に意識を持っていき、堂々と締めくくります。

ウィンナーワルツならではの優雅さと軽やかさを表現し、華やかで素敵な演奏を目指してください。

執筆者: 杉浦 菜々子

演奏のヒント : 大井 和郎 (1157文字)

更新日:2018年3月12日
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楽譜

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