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ギロック :こどものためのアルバム カプリッチエット

Gillock, William:Album for chirdren Capriccietto

作品概要

楽曲ID:45151
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:0分40秒
著作権:保護期間中

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎5 応用1 応用2 応用3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (597文字)

更新日:2025年4月2日
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《カプリッチエット》というタイトルは、「気まぐれな」という意味を持つ「カプリッチョ」から派生した造語と考えられます。その名の通り、軽やかで流動的な旋律と歯切れの良いリズムが特徴的で、全体的に遊び心に満ちた作品です。ギロックの作品にはジャズやポピュラー音楽の要素が取り入れられていることが多く、この曲にもシンコペーションや軽快なスタッカートが効果的に用いられています。

演奏にあたっては、リズムのキレを意識しながらも、流れるようなフレージングを大切にすると、音楽の魅力がより引き立ちます。特に三拍目の和音の変化を意識し、前の二拍間でエネルギーを蓄えつつ、三拍目で意表を突くような表現をすると、曲の面白さが際立ちます。3〜4小節や11〜12小節は、左右のバランスを取りながらテンポよく弾くと良いでしょう。

また、フェルマータの使い方もこの曲の表情を決める重要な要素です。8小節目の和音ではピタッと止まり、16小節目では小節線上のフェルマータを活かして、音のない静寂の中で時間が止まるような効果を狙います。その後、17小節目からのアッチェレランドでは、一気に加速して急降下するような勢いを持たせると、続くフォルテの和音がエネルギッシュに響くでしょう。

最後の4小節は、軽やかにまとめつつ、「冗談でした」というようなユーモアを感じさせる表現をすると、この作品の持つ遊び心を存分に伝えることができると思います。

執筆者: 杉浦 菜々子

楽譜

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