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ギロック :こどものためのアルバム サラバンド

Gillock, William:Album for chirdren Sarabande

作品概要

楽曲ID:45158
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分40秒
著作権:保護期間中

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎5 応用1 応用2 応用3

楽譜情報:4件

解説 (2)

演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (599文字)

更新日:2025年5月12日
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ギロックの《サラバンド》は、バロック時代の舞曲を模した作品ですが、どこか現代的な響きや、やわらかく情感のこもった表情が感じられる一曲です。ゆったりとした三拍子の中で、低音が静かに下っていく冒頭は、まるで知らない場所へと誘われるような、幻想的な雰囲気をまとっています。全体的に派手さはありませんが、内に秘めた抒情性や、響きの美しさがじんわりと心に残ります。

右手の旋律にはテヌートやスタッカートの指示が細かく書かれており、それぞれの音にどんな意味が込められているのかを感じながら、丁寧に弾き分けたいところです。音の立ち上がりを柔らかくしながらも、芯のある響きを目指すと、作品全体の穏やかな世界観がぐっと深まります。特にテヌートの音には、少し長めに息を吸うような間や、音の余韻を大切にするとよいでしょう。16分音符のモチーフはつい機械的になりがちですが、早く弾くのではなく、ひとつひとつの音に愛情を込めるように、優しく語りかける気持ちで演奏してみてください。

演奏にあたっては、拍の重みを意識しながら、自然なフレーズの流れをつくることが大切です。また、内声の動きや終止の仕方にも注意を払い、バロック様式の雰囲気に寄り添うような表現を心がけると、作品の魅力がよりいっそう引き立ってきます。控えめながらも深みのあるこの《サラバンド》は、音の質感や間のとり方など、細やかな表現を楽しみながら向き合いたい作品です。

執筆者: 杉浦 菜々子

演奏のヒント : 大井 和郎 (881文字)

更新日:2018年3月12日
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