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ギロック :こどものためのアルバム エチュード

Gillock, William:Album for chirdren Etude

作品概要

楽曲ID:45159
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分30秒
著作権:保護期間中

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用4 応用5 応用6 応用7

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (569文字)

更新日:2025年5月12日
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右手に3度音程の動きが続く練習曲です。ショパンの《エチュード Op.25-6》のような“3度エチュード”の教育的縮図とも言える内容で、ただ指を動かすだけではなく、音のつながりや響きのまとまりを大切にしたい一曲です。

右手は3度の連続ですが、ひとつひとつの音に神経を向けすぎると、音楽の流れが止まってしまいます。まずは小さなフレーズごとにまとまりをつけて、歌うように弾くことを意識してみましょう。指の独立はもちろん必要ですが、レガートを保つためには、手のかたちを保ちながら腕ごと運ぶような感覚も大切です。

一方、左手は控えめながら半音階の動きが印象的で、ただの伴奏としてではなく、内声的な対話の相手として丁寧に扱いたいところです。右手ばかりに気を取られず、左右のバランスを耳で探しながら弾いてみましょう。

短調の落ち着いた響きの中に、どこか心に語りかけてくるような柔らかさがあります。強くは主張しないけれど、ひとつひとつの音が気持ちを運んでくれるような感覚を大切にしたいですね。ペダルは、うっすら使うことで音が自然に流れ、響きにまとまりが出ます。

練習曲でありながら、音楽の息づかいを学べるような曲です。細かい指の動きだけに目を向けず、フレーズの終わりや間の取り方にも耳を傾けてみてください。指先に気持ちをのせる感覚が、少しずつ育っていくはずです。

執筆者: 杉浦 菜々子

楽譜

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