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ギロック : こどものためのアルバム ソナチネ

Gillock, William : Album for chirdren Sonatina

作品概要

楽曲ID: 45168
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナチネ
総演奏時間:6分00秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (900 文字)

更新日:2025年7月21日
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第1楽章は古典的なソナタ形式を基に、活発で明快な主題が展開される楽章です。冒頭から順次進行するバスの上に構成される和声の響きに耳を傾けながら、その色彩感を大切にしたいところです。ドビュッシーを思わせるような発想も感じられ、特に5小節目では、ソフトペダルとダンパーペダルを活用し、重なり合う響きの中で右手のスケールが自在に駆け巡る様子を丁寧に描きましょう。変拍子の面白さにも留意しつつ、アクセントの位置を明確にしてフレーズのまとまりを意識すると効果的です。13小節目からは増三和音が現れ、夢のような朦朧とした響きが続いた後、17小節目でト長調のIの和音に至る瞬間は、はっと目が覚めるような感覚を与えます。展開部では左手に主題モチーフが移り、左右の強弱指定を明確に表現することで、音楽の輪郭が際立ちます。クライマックスでは、左手の迫力ある動きがまるでトロンボーンのような効果を生み出し、ドラマチックな盛り上がりを築いています。

第2楽章は、ゆりかごのような揺れが眠気を誘う、抒情的な緩徐楽章です。半音階的な動きに注意を払いながら、柔らかく包み込むような音色で、音の微細な変化を丁寧に感じ取りたい楽章です。テンポに縛られすぎず、自然な呼吸で音楽を運んでいくと、より深い表情が生まれるでしょう。

終楽章となる第3楽章は、リズミカルで活発な楽章です。第1楽章のクライマックスで用いられたモチーフが冒頭主題として再登場し、全曲を通しての一貫性が感じられます。リズムの正確さが求められ、16分音符が曖昧にならないように注意を払いましょう。5小節目では、左手の完全5度の動きが右手のスフォルツァンドを支え、推進力を生み出しますが、右手の旋律を覆い隠さないようにバランスに配慮が必要です。25小節目以降は弱音指定がある中でも音の切れを保ち、弦楽器の素早いボウイングを想起させるような音づくりを目指しましょう。再登場するモチーフは対話的に扱いながら、45小節目のffユニゾンに向かってエネルギーを集中させていきます。終盤の53小節目からは、華やかな響きとともにfffの終止に向けて熱量が高まり、ダイナミックな終結を迎えます。

執筆者: 杉浦 菜々子

楽章等 (3)

第1楽章

総演奏時間:2分50秒  ステップレベル:応用4,応用5,応用6,応用7

解説0

編曲0

第2楽章

総演奏時間:2分10秒  ステップレベル:応用4,応用5,応用6,応用7

解説0

楽譜0

編曲0

第3楽章

総演奏時間:1分00秒  ステップレベル:応用4,応用5,応用6,応用7

解説0

楽譜0

編曲0

楽譜

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