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平吉 毅州 : 子どものためのピアノ曲集《虹のリズム》 バレリーナの悲しみ

Hirayosi, Takekuni : Rainbow Rhythm The Ballerina's Sorrow

作品概要

楽曲ID: 45207
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:子供のための作品
総演奏時間:0分30秒
著作権:保護期間中

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎4 基礎5

楽譜情報:5件

解説 (1)

演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (526 文字)

更新日:2025年7月21日
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平吉毅州《バレリーナの悲しみ》は、変則的な拍子と繊細なニュアンスが印象的な作品です。全体を通して5拍子で書かれています。作曲者は、5拍目に現れるスタッカートが強くなりすぎないよう注意を促しています。特に右手では、手首から柔らかく上に抜くような動きで弾くと、スタッカートがふっと空間に溶けていくような響きになります。左手のスタッカートも同様に、軽やかで柔らかなニュアンスを保ちながら演奏したいところです。

6小節目以降は、拍子感が次第に変化していきます。小節線の枠にとらわれず、アーティキュレーションを手がかりにしながら、音楽のまとまりを意識していくとよいでしょう。5拍から4拍、そして2拍へと拍の単位が変化していくことで、徐々に切迫感が高まり、音楽が緊張を帯びていきます。その緊張が緩み、4分の6拍子で書かれた9小節目のpoco rit.では、ふっと息をつくように、短い安堵の表情を見せます。

10小節目には冒頭の旋律が再登場し、3小節間の穏やかな流れに戻ります。最後に現れるsubito fは、迷いのない決然とした響きで締めくくりたい部分です。全体を通して、内に秘めた感情の揺れが描かれているような曲で、柔らかい音色で踊りのリズムを大切に演奏しましょう。

執筆者: 杉浦 菜々子

参考動画&オーディション入選(1件)

子どものためのピアノ曲集《虹のリズム》 バレリーナの悲しみ