林 光 :ピアノの本 36.カノン
Hayashi, Hikaru:PIANO NO HON *in preparation*
【概要】 : 大塚 萌 (350文字)
《ピアノの本》は作曲家によるただ一人のピアノの弟子とされる武満 真樹氏(武満徹氏の令嬢)のために、レッスンのたび作曲されたメソード風ピアノ小品集である。
カノンとは、複数の声部が同じ旋律を厳格に重ねて演奏する様式の曲を指す。13世紀に書かれた《夏は来たりぬ》が現存する最古のカノン形式の作品とされ、有名な作品にはバロック時代の作曲家ヨハン・パッヘルベル(1653-1706)による《カノン》が挙げられるであろう。
4分の3拍子、16小節。調号は示されていないがト長調の響きとなっている。
4分音符120から128の速度表記からは、ゆったりとした3拍子の旋律の中にも前向きさや音楽の方向性を感じ取ることが出来る。
作品を通して右手の旋律を左手が1小節遅れて厳格に模倣し、互いに伸びやかな美しい旋律を奏でている。
【第12回バッハコンクール 小学1・2年A部門】カノン
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