パルムグレン :太陽と雲 1月 新年の鐘 Op.102-1
Palmgren, Selim:Sun and Clouds "Januari Nyarsringning(Junuary/New year's bells)" Op.102-1
解説 : 渡邊 真里子 (292文字)
1月「新年の鐘」
低音は[E-H-E]の和音が通奏低音の如く保持される。中声部は「E-H-H」、「Fis-Cis-Fis-」「H-E-Fis-H」のオクターブで構成される和音が、オスティナートで描写される。上声部は、パルムグレンの音楽の特徴である、高音域の煌めきを生かした、力強く輝かしい和音で描写される。新年の到来を祝福する、歓喜の鐘の音が打ち鳴らされる。11小節でクライマックスを迎え、次第に下降する。13小節に登場するDナチュラルで一抹の不安を感じさせ、緩やかな世界に転ずる。低音域に下降し、落ち着きを見せ、平穏な佇まいを漂わせながら、再び5度の重音を連結させ、静寂に終結する。
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