作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(601 文字)
更新日:2023年10月6日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (601 文字)
更新日:2023年10月6日
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転調が激しく、調性を失いやすい(弾く側も聴く側も)曲ですので一工夫必要になります。工夫できる素材として、3小節目、3~4拍間のユニットです。4小節目1~2拍間もまったく同じユニットがありますね。シークエンスと言うわけでもなく、2回続けてこれが来ます。問題はこの後に来る音です。例えば、3小節目3拍目から4小節目2拍目まで演奏した後にくる、4
小節目3拍目の右手Desは大変ショックな音です。
問題は、このDesに行くために、3小節目3拍目からクレシェンドをかけて4小節目3拍目のDesに達するか、あるいは、Desはsubito フォルテにするか。いずれにせよ、この2つの連続したユニットの後には、ショッキングな音が待っています。
11小節目3拍目からも同じで、到達するのは12小節目の3拍目、Asに、13小節目1拍目から同じく始まり、14小節目1拍目のFisに、それぞれ到達します。それぞれ、2つのユニットの後に来る音を強調してください。
実はこの14小節目1拍目のFisこそ、どこかでFに半音下がって欲しいのです。そうすることでc-mollに戻ることが自然な成り行きとして進めるのですが、Fが無いので、15小節目でc-mollに戻った感じがしないのです。方法としては、14小節目の3~4拍間、ritenutoをかけ、装飾音などを足し、カデンツらしく弾いて下さい。そうすることで不自然な転調が緩やかになります。
執筆者:
大井 和郎
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