とても湾曲しているメヌエットです。前半8小節においても、5~8小節間のほうが、1~4小節間よりも通常です。ヘンデルは、2小節目でわざわざ付点2分音符のCを書いています。この小節は主和音の転回形で構成されているのではなく、III の長3和音(FAC)で構成されていて、インパクトがあります。
3小節目においても、トリル+16分音符というのはこの小節以外には出てきません。従って5~8小節間は1~4小節間と比較した場合、通常の和声進行です。
後半、明らかなF-durで進行が始まります。しかし12小節目で突然、左手の裏拍に新たな声部が加わります。13~14小節間は、9~10小節間のメロディーラインと同じメロディーですが、ここの時点でd-mollに戻りますので、より厳しい音質に戻ります。このメヌエットの最高音は、9小節目のBと15小節目のBですが、9小節目のF-durに比べると、15小節目のBの方がd-mollに戻ったBですので、よりテンションは高くなります。この辺りがこのメヌエットのピークポイントとしても良いでしょう。
19小節目、マイナーファイブ v (ACE)が出てきてこれもインパクトが強い小節です。そして23小節目3拍目、トリルと付点8分+16分のリズムで、このリズムもこの小節のみになります。
多くの曲折している要素があり、そのような場所に関しては、強弱で強調してみて下さい。