バッハ : 第19番 前奏曲とフーガ 第19番 前奏曲 BWV 864 イ長調
Bach, Johann Sebastian : Prelude und Fuge Nr.19 Prelude Nr.19 A-Dur
作品概要
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分20秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・ピアノステップ
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楽譜情報:2件解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(861 文字)
更新日:2023年7月17日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (861 文字)
バッハのA-durを思い浮かべると、インベンションの12番、シンフォニアの12番、平均律第2巻のA-dur等を思い浮かべれば、とても穏やかで、楽天的な調であることがわかりますね。この1巻のA-durも同じです。しかしこのプレリュード、何も知らされていなければフーガと間違えてしまいそうですね。
このプレリュードを演奏するにあたり、いくつかの助言をします。
テンポ
穏やかで楽天的な調ですから忙しい感じを出さないようにして、かつ、重たさを避けたいので、あまり速すぎず遅すぎず、4分音符=84くらいが無難でしょうか。
テーマ
テーマは1小節目右手から始まり4小節目の最初の右手の音Gisまでとします。テーマの場所はわかりやすいので省略しますが、奏者は、テーマが出てくる度に、テーマを優先して聴かせるようにしてください。
サスペンション
サスペンションとは日本語で「掛留音(けいりゅうおん)」と言います。英語にしろ日本語にしろわからないですよね。これは非和声音の種類の1つで、1つ前の和音のメンバーが、新しい和音まで引っ張られて残される種類の非和声音です。楽譜で説明しますと、2小節目の左手1拍目にEがありますが、これは、1小節目のEがタイで引っ張られて残された状態です。本来であれば、2小節目1拍目はAが来れば良いのですが、Aは遅れて裏拍で登場します。それはEが残されているからです。このサスペンションという非和声音は独特な効果を生みます。サスペンション(掛留音)は非和声音ですので、次の音が解決音となります。
従って、この場合、Eは強くても、AはEよりも弱く弾きます。そのような部分がこのプレリュードには多くの箇所で観られます。7小節目の右手をご覧下さい。1拍目の表拍と3拍目の表拍はサスペンションです。この場合も、表拍にアクセント、裏拍は消えるように弾いて下さい。これはダブルサスペンションと呼ばれるもので、2つ以上の声部が同時にサスペンションになる例です。
その他の場所にもサスペンションはありますので、前述したマナーにしたがって下さい。
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