バッハ : 第20番 前奏曲とフーガ 第20番 フーガ BWV 865 イ短調
Bach, Johann Sebastian : Prelude und Fuge Nr.20 Fuge Nr.20 a-moll
作品概要
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:4分40秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・ピアノステップ
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楽譜情報:2件解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(607 文字)
更新日:2023年7月17日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (607 文字)
バッハのa-mollに関しては、この1つ前の、平均律第1巻20番のプレリュードで述べたとおり、ゆっくりしたテンポのa-mollは暗さ、悲しみ、等が表現され、テンポが速いa-mollは楽しさが表現されると述べました。しかし、バッハの作品にはテンポマーキングもテンポ指定もありませんので、このフーガのように、遅くも、速くも、どちらとでも取れる曲も存在します。
例えば我々がこのような選択に迫られたとき、どのような判断をすれば良いのでしょうか?それは長年の経験や多くの作品を参考にする方法もあり、あるいは、「この曲の書き方からすれば、テンポは速いだろう」とある程度の想像を働かせることは出来ます。そのほか、「トリルを入れるとそのトリルが実音に近くなってしまうような遅いテンポであるのは良くない」 等も判断の基準になります。
ではこのフーガの場合はどうやってテンポを決定すれば良いでしょうか。まず、このフーガの特徴としては:
1 尺が長い 87小節もある巨大フーガなのです。しかも4声体です。
2 テーマが長い テーマは4小節間にも及びます。1小節目から始まり、4小節目の最初の音、Aで終わります。
この2つの理由だけでもこのフーガを速いテンポで弾いた方が曲がわかりやすく、緊張感を保てる事がわかります。筆者個人的な意見になりますが、このフーガは割と速いテンポで、ある種の楽しさを含ませることで、曲が引き締まり、聴きやすくなります。
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