バッハ :第10番 前奏曲とフーガ 第10番 前奏曲 BWV 879 ホ短調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.10 Prelude Nr.10 e-moll

作品概要

楽曲ID:62187
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:2分10秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (431文字)

更新日:2023年9月20日
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バッハにとってのe-mollという調は、言葉で表すと「単調な楽しさ」と例えることができます。インベンションやシンフォニア、トッカータのe-mollは層も厚くドラマティックな部分もありますが、平均律第1巻は、最低声部数の2声のフーガですし、この平均律第2巻のプレリュード、イギリス組曲のe-mollなどもどちらかと言えば単調です。先ほど述べたトッカータのフーガも、単純なテーマの元に作られていますね。

このプレリュードも、シンプルな素材が淡々と進みます。それは決して湾曲したものではなく、半音階的進行のような深い悲しみの表現でもなく、音楽は実にドライに進行します。短調ですが、その中に、ある種の「楽しさ」も含まれています。そこを実感して弾いて下さい。

また曲中に出てくる長いトリルは、インベンションのd-mollを思い出させてくれるような書法ですね。結論としては、テンポは速く弾くようにします。アーティキュレーションは8分音符を軽快にスタッカートにすると良いでしょう。

執筆者: 大井 和郎
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