ベートーヴェン :第1番 第1楽章
Beethoven, Ludwig van:WoO.47-1 mov.1
解説 : 鐵 百合奈 (365文字)
変ホ長調、4分の4拍子。発想標語の「歌うアレグロ」に、明らかなマンハイム楽派の影響が見られる(旋律の優位性)。主要主題の書法は木管による室内楽を想起させるもので、穏やかで明るい雰囲気に包まれている。頻繁に交代する強弱も、マンハイム楽派からの影響であろうが、その楽想は演奏効果を狙ったものというよりは、少年ベートーヴェンの茶目っ気を思わせる。
第11小節からの副主題は上方二度のモルデントや前打音を伴う歌唱的な旋律で、まさに「小鳥」の歌である。展開部(第31小節~)は主要主題を属調の変ロ長調で反復するもの。第41小節で印象的にハ短調の新たな主題が登場し、華やかなアルペッジョによる経過句を経て、主要主題の再現を略し、第56小節~副主題が主調の変ホ長調で再現される。
[CBJ 2020]ベートーヴェン:選帝侯ソナタ第1番(ソナチネ第1番)WoO 47-1 第1楽章
第1番 第1楽章 WoO.47-1
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