バッハ : 「これぞ聖なる十戒」によるフゲッタ BWV 679
Bach, Johann Sebastian : Fughetta super Dies sind die heil'gen zehen Gebot BWV 679
作品概要
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:フーガ
総演奏時間:2分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(588 文字)
更新日:2023年11月20日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (588 文字)
全体を見たとき、後半に進むにつれて16分音符の量が増えてきますし、和音の層も厚くなっていきますので、基本的には流れとして、最初はピアノから始まり、最後に向けてフォルテで終わるような流れにします。
このフーガの書法は器楽的です。冒頭の連打音は「保続音」または「ペダルポイント」と考えます。同じ音の連打というのは、ピアノの場合、耳障りになる事も多いので、音量には十分注意し、大きな音で同じ音を連打しないように注意します。
アーティキューレーションは自由に工夫して良いです。例えば1小節目4拍目のような、パターンは、最初の2音をレガートに、Dをスタッカートで切り、次のGもスタッカートでも良いですし、逆に2番目と3番目の音をレガートにして1番目はスタッカートでも良いです。あるいは全部スタッカートでも構いません。色々と試してみましょう。
16小節目3拍目からのテーマ(主題)は、インヴァージョン(転回形)ですが、これもテーマと見なしてかまいません。
恐らくですが、31小節目から始まるバスのテーマが、このフーガの中では最もテンションの高いテーマだと思います。音量は遠慮せずに出してみてください。
34小節目2拍目の最後の和音はショッキングな和音ですが、この和音はじっくり聴かせたいところです。テンポをかなりゆっくりにして終わらせることで、この和音を聴かせることができます。試してみてください。