作品概要
作曲年:1863年
出版年:1880年
初出版社:Hamelle
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:無言歌(ロマンス)
総演奏時間:8分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
執筆者 : 齊藤 紀子
(708 文字)
更新日:2007年10月1日
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執筆者 : 齊藤 紀子 (708 文字)
この3曲から成る小品集は、おそらく1863年、フォーレが18歳の頃に作曲されたと考えられている。このフランス語のタイトルは、直訳すると「言葉を伴わないロマンス」ということになるが、2曲目にメンデルスゾーンの無言歌集の影響がうかがえることから、《無言歌》と呼ばれている。出版は1880年になされた。初演は、初めの2曲が1881年2月の国民音楽協会でポーリーヌ・ロジェにより、第3曲目が1889年1月の国民音楽協会でカーサ・シャトルジェ嬢により行われている。
第1曲目は、バリトン歌手レヴィの夫人にあたるフェリックス・レヴィ夫人に捧げられている。アンダンテ・クァジ・アッレグレットの変イ長調で4分の3拍子。美しくかつゆったりと歌い上げられる右手のメロディーに、左手が控えめな和音やエコーを奏する。
第2曲目は、ロール・ド・レイリッツに捧げられている。ロール・ド・レイリッツは、フォーレがニーデルメイエ校を卒業後、レンヌで教会のオルガニストを勤めていた時(1866―1869)に知り合った女性である。アレグロ・モルトのイ短調で4分の4拍子のこの曲は、3曲の中で最も長く、また、メンデルスゾーンの無言歌集の影響も最も色濃くうかがえる。特にそれは、左手の分散和音に乗って歌われる右手のメロディーが、時折分散和音と重複する書法で書かれていることに現れている。
第3曲目は、フローラン・サリオ夫人に捧げられている。第2曲目に引き続き、左手の分散和音に乗って右手のメロディーが優美に歌われる。冒頭の部分は、《ドリー》の<子守歌>に通じるものが感じられる。メロディーはこの作品の終結近くで再現された際に、カノンのような手法で巧妙に扱われる。
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