作品概要
出版年:1912年
初出版社:Rózsavölgyi
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:7分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:1908-1911
解説 (1)
執筆者 : 和田 真由子
(682 文字)
更新日:2007年8月1日
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執筆者 : 和田 真由子 (682 文字)
「ブロレスク」とは、「いたずらっぽい、ふざけた」という意味で、スケルツォよりややグロテスクな意味合いをもった楽曲のことである。この3曲は、計画的に構成、配置されたというよりは、間隔をおいて生み出されたそれぞれの曲が後にまとめられたものであると思われる。性格は全く異なっているが、いずれもバルトークの遊び心を感じさせる曲。全曲の初演は1921年。
第1曲:〈けんか〉1908年作曲。もともとは、《7つのスケッチ》の第一曲〈少女の肖像〉と対をなすものとして着想された。徐々に間隔が詰まっていくアクセントや、親指によるの音のぶつかりあいなどによって、子供の言い争いの喧嘩を思わせるような雰囲気がうみだされている。メノ・ヴィーヴォの中間部をもった3部分からなる。ピアノの生徒であり、後に結婚することになったマールタ・ツィーグラーに献呈されている。
第2曲:〈ほろ酔い気分〉1911年作曲。バルトークお気に入りの一曲で、1929年、自身による録音が残っている。また1931年には、管弦楽曲《ハンガリーの風景》の第4曲として編曲している。テンポ、リズム、休符の絶妙な使い方により、千鳥足で歩く農民の様子が、遊び心をもって描きだされている。主要和音と、小音符でかかれた補助和音を明確に弾きわける。
第3曲:モルト・ヴィーヴォ・カプリチオーソ 1910年作曲。半音階的な響きが多い、軽快な曲。同時期に舞台作品《青ひげ公の城》がかかれており、その中では悲しみや悲劇を象徴するような音型に半音階的な動きが使用されている。フィナーレにふさわしく、華やかな盛り上がりをもって曲が締めくくられる。
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