「ペダルを踏みっぱなしにすると濁るので、ペダルを変えるとバスを失う」という典型的な問題は、我々ピアノに関わる人達にとって永遠の課題です。この曲もまさにその通りの問題が生じますが、筆者がとっておきの指使いを伝授します。この方法で、バスを失わず、濁りを避ける事が可能になります。
1小節目 2つ方法があります。1つは、2拍毎にペダルを入れます。1〜2拍間、EGHですのでペダルを踏み続けても濁りません。3〜4拍間もACEなので、ペダルを踏み続けても大丈夫です。ただし、メロディーがオーバーラップします。そこで、もう1つの方法は、1拍目、バスのEを5の指で押さえっぱなしにして、2拍目のGHEを弾き、2拍目ペダルを変えます。そうすると、右手のHとGをオーバーラップさせずに済みます。これは好みの問題になりますので、どちらの方法でも大丈夫です。3〜4拍間は踏みっぱなしでも大丈夫です。メロディーラインの8分音符Eは、一瞬ですので、気になりません。
2小節目 1拍目のバスDをフィンガーペダルで伸ばしながら、2拍目3の指でFIs、1の指でCとDの両方を同時に弾きます。ここも、1拍毎にペダルを変えます。そうする事で1〜2拍間のDとAを混ぜないで済みます。勿論、そんな面倒なことをしないで、ペダルを1〜2拍間、踏み続けても大丈夫です。3〜4拍間、問題ありませんので、踏み続けます。
3小節目ペダルは1拍毎に変えます。1拍目のバスHは5の指でのばしっぱなしにして2拍目にオクターブ上のHだけを弾きます、その上のDは右手で取ります。3拍目、GとAを普通に弾き、5の指でAを伸ばし続け、4拍目でオクターブ上のAのみを弾きます。右手で、4拍目の左手のCとDを、旋律のGとともに同時に弾きます。
4小節目、1拍毎にペダルを変えます。1拍目のバス、Dは5の指でのばしたまま、2拍目のACDは2の指でA、1の指でCとDの両方を同時に弾きます。
このような工夫で、1〜8小節間、13〜20小節間、全てのバスは2拍ずつ伸び、しかもメロディーは濁りません。
12小節目、ペダルは全く使いません。全てを指で繋げてください。