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ジュリアーニ :ギターとピアノのためのロンド Op.68

Giuliani, Mauro:Rondò per chitarra e pianoforte Op.68

作品概要

楽曲ID:92851
楽器編成:室内楽 
ジャンル:ロンド
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 高久 弦太 (672文字)

更新日:2025年5月12日
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■ 概要

《ギターとピアノのためのロンド 第1番・第2番 Op.68》は、イタリアの作曲家・ギタリストであるマウロ・ジュリアーニ(Mauro Giuliani, 1781–1829)による二重奏作品で、ギターとピアノという異なる楽器同士の対話を主眼とした室内楽作品である。第1番はイ長調、第2番はロ短調で書かれており、両曲ともにロンド形式に準拠した構造を持つが、どちらかといえば明快な音楽構造よりも華やかさと技巧性を兼ね備えたサロン風の作品として位置づけられる。作曲は1817年前後と推定され、ジュリアーニのウィーン滞在期における創作活動の一環である。


■ 歴史的背景

1810年代後半のウィーンは、ナポレオン戦争後の平和とともに文化的な復興期を迎えており、サロン文化の発展とともにギター音楽が大いに流行していた。ジュリアーニはその流行の中心に位置し、ギターを独奏・伴奏・室内楽のあらゆる領域に積極的に取り入れた。ジュリアーニは両者の音域や役割を熟慮し、協奏的関係を築く工夫を凝らしている。Op.68のロンドはこのような背景のもとで生まれ、演奏家同士の即興的対話にも似た魅力を放つ。


■ 音楽的意義

《ギターとピアノのためのロンド Op.68》は、ギター室内楽の可能性を拡張する作品として意義深い。特に第1番の陽気なイ長調と第2番の深い情感を湛えたロ短調という対照的性格が、ジュリアーニの表現力の幅を示している。現代の演奏会では稀にしか取り上げられないが、ギターと鍵盤楽器のアンサンブルを探究する上で、演奏・研究両面において再評価が期待される作品である。

執筆者: 高久 弦太

楽章等 (2)

ロンド 第1番

調:イ長調 

動画0

解説0

楽譜0

編曲0

ロンド 第2番

調:ロ短調 

解説0

楽譜0

編曲0

楽譜

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