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伊福部 昭 1914-2006 Ifukube, Akira

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  • 解説:須藤 英子 (953文字)

  • 更新日:2018年4月20日
  • 1914年、北海道釧路に生まれる。アイヌ民族の伝統芸能や、開拓者達が歌う各地の民謡に触れながら育つ。またギターやヴァイオリンを嗜み、13歳頃から作曲を独学で学んだ。

    その後、 北海道大学にて林学を専攻する傍ら、 音楽活動を展開。1933年には唯一のピアノ独奏曲《ピアノ組曲》を作曲、また1934年には早坂文雄、三浦敦史らと札幌で「新音楽連盟」 を結成し、ドイツ音楽一辺倒であった楽壇に、 新しい風を巻き起こしていった。

    1935年に大学を卒業後、林務官として北海道の林業に従事しながら、作曲を行う。同年、初のオーケストラ作品《日本狂詩曲》がチェレプニン賞第1位入賞。また1938年には、在学中に書いた《ピアノ組曲》がヴェネチア国際現代音楽祭入選し、一躍、世界的注目を浴びた。 その作風は民族主義的色合いの濃いもので、伝統的な日本音楽に根ざした旋律と、力強いオスティナート(一定の音型を繰り返す手法 )を特徴とする。

    太平洋戦争中の1941年に発表された《ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲》は、科学文明を象徴する現代的作曲手法が加えられ、異例の前衛的な響きを得た。1943年に作曲された《交響譚詩》では、伊福部ならではの北アジア・ ユーラシア的ノスタルジーが歌い上げられ、その後の彼の創作の指標となった。この作品は、 ビクター管弦楽コンテストで第1位入選、収録 レコードに文部大臣賞が授与された。

    戦後1946年、伊福部は上京し、東京にて音楽を専業とする。東京音楽学校(現東京藝大)や 東京音楽大学にて教鞭をとり、芥川也寸志黛敏郎矢代秋雄三木稔石井真木松村禎三など多くの作曲家を育てた。また映画やバレエ音楽も積極的に手がけ、特に映画音楽の分野では、 『ゴジラ』のテーマをはじめとして『座頭市』 『ビルマの竪琴』など300本以上の映画音楽を残した。

    他の作品に《ヴァイオリンと管弦楽のための狂詩曲》(1951)、《タプカーラ交響曲(シンフォ ニア・タプカーラ)》(1954)、《ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ》 (1961)など、 著作に『音楽入門』、『管絃楽法』などがある。 紫綬褒章、勲三等瑞宝章、日本文化デザイン 大賞、文化功労者顕彰など受賞多数。2006年、 91歳で死去。

    執筆者: 須藤 英子
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    About composer : 須藤 英子 (2667文字)

    更新日:2018年4月20日
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    作品(3)

    ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) (1)

    ピアノ独奏曲 (1)

    曲集・小品集 (1)

    ピアノ組曲 ピアノ組曲

    作曲年:1933  総演奏時間:17分40秒 

    楽譜0

    編曲0

    その他 (1)

    映画音楽 (1)