山本 裕之 :東京コンチェルト
Yamamoto, Hiroyuki:Tokyo Concerto
執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (377文字)
「作曲当時、私はまだ習作期を脱してなく(芸術大学を出たばかりのぺーぺーであった)、自作品リストに載せてあるこの時期の数少ない曲の1つである。作曲時にバロックコンチェルトの、特に協奏や競争ではなくソロとグロッソの音密度の対比について興味を持っていたことから、それをテーマとした作品をいくつか書いていた。タイトルはJ.S.バッハの《イタリア協奏曲》から拝借しているが、リトルネロ形式にはなっていない。初演時のプログラム・ノートから。〈『協奏曲』という名を冠して、楽器の数ではなく一人のピアニストの手によって密度の対比が語られることも、充分有り得て良いのではないだろうか。〉 その対比は、右手の協和音程と左手の不協和音程によって表現されている。1993年5月4日作曲、同年7月4日初演・榎坂スタジオ(東京都港区)、大井浩明氏委嘱初演・同氏に献呈。」(山本裕之)
東京コンチェルト
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