平吉 毅州 :4つの小品
Hirayosi, Takekuni:4 pieces
解説 : 長井 進之介 (490文字)
ピアノ独奏のために書かれた4つの小品から成る曲集で、各曲には詩的なものではなく、 テンポ設定や形式によるシンプルなタイトルが与えられている。“子どものための” という表 記はないものの、技法的は平吉作品の中でも平易なものに属しており、子どものコンクールでも頻繁に演奏される機会の多い作品となっている。ただし、音楽的にはかなり複雑さを感じさせるものとなっており、和声語法的にも、全体的には調性音楽の範囲内に収まってはいるが、 転調が非常に多く、時には無調の響きも取り入れられることで、どこか浮遊感に満ちており、 まとめ上げるのは非常に難しい。第1曲〈アンダンテ〉は平吉ならではのあたたかさに満ちた旋律が奏されていく。第2曲〈ラルゲット〉 は4曲の中でもっとも演奏機会の多い作品で、 感傷的な旋律に対し、様々に変化していく和声と対旋律が絡み合っていく。第3曲〈ワルツ〉 は、曲集中最も技巧的で、付点やシンコペーションといったリズムの多用により、一聴しただけではワルツらしさを感じにくいものとなっている。第4曲〈アダージェット〉は室内楽作品を思わせる対位法技法が駆使された楽曲である。
アンダンテ
動画0
解説0
楽譜0
編曲0
ラルゲット
動画1
ワルツ
アダージェット
4つの小品 ラルゲット
検索