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ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 25の練習曲 バラード Op.100-15

Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 25 Etudes faciles et progressives, conposées et doigtées expressément pour l'étendue des petites mains Ballade Op.100-15

作品概要

楽曲ID:23990
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:1分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎4 基礎5 応用1 応用2

楽譜情報:35件
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解説 (3)

解説 : 佐藤 卓史 (399 文字)

更新日:2022年1月31日
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 「バラード」はもともと文学用語で、叙事詩(歴史上の出来事を記した詩)のこと。音楽においては、叙事詩にメロディーをつけた歌曲をバラードと呼びます。代表的な例は、ゲーテの詩にシューベルトが作曲した『魔王』。この練習曲も、右手の3分割の連打・左手の細かい音型・切迫した雰囲気など、『魔王』と似通った雰囲気があります。どんな情景を描いているのか、自分なりに想像してみましょう。

演奏のポイント(原典 ♩.=104)  

 右手の連打はメトロノームのように正確に、それに左手を合わせていきます。左手の3拍目の A が右手とぴったり合うように。そのためには直前(2拍目ウラ)の G をしっかり弾くことです。31小節からの平行長調(ハ長調)の中間部は、4小節で一息のフレーズ。2小節ごとに切れないようにしましょう。53〜56小節は、しっかり3拍数えること。

(東音版「ブルグミュラー25の練習曲」(NS70)より)

執筆者: 佐藤 卓史

楽曲分析図 : 飯田 有抄 (12 文字)

更新日:2018年3月15日
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譜例提供:  音楽之友社

執筆者: 飯田 有抄

演奏のヒント : 大井 和郎 (930 文字)

更新日:2019年5月10日
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この曲は、この25の練習曲の中でも最も技術的に困難な曲の1つだと言えます。多くの奏者が左手の16分音符を流暢に弾けないがため、それを理由にテンポを落とします。テンポマーキングは付点4分音符が104とあります。これはかなり速いですね。筆者が録音したテンポとほぼ同じです。しかし、一般的にここまでテンポの速い演奏は今まで聴いたことはなく、多くの場合、左手がもたつくか、ムラが生じるか、粒がそろわないか、あるいはCodaに出てくる右手さえも上手に弾けない場合があります。この16分音符の問題を解決しない限りはこの曲の演奏は難しくなりますので、まず最初にそこから解決をしていかなければなりません。

演奏のヒントというよりは、練習のヒントになりますが、左手の1の指をCの音に置き、伴盤を下に下げ、そのままの状態にして離さないようにします。その状態で、2をH、3をA、4をGに配置します。そしてGとHを同時に弾き、次にAを弾き、それをトレモロの状態にします。GH A GH A GH A というふうに繰り返します。そしてこのGAHの3つの音を、あるとあらゆる可能なコンビネーションで練習します。たとえば単音で、GHAHGHAH AGHGAGHG 等。または先ほどの様に重音を混ぜたり、とにかくありとあらゆる可能性を探して練習します。

もう1つは5の指を混ぜることです。3小節目の左手は1234の4本の指しか使いませんが、5の

指をFに載せ、伴盤を下に下ろした状態にしておきそのまま保ちます。その上で、CHCGAHの16分音符を練習します。5の指を混ぜると更に難易度は増しますが、離したとき、かなり楽になっているケースがあります。

上記のような、練習方法を試し見ても上手く弾けない場合は、根本の筋肉が不足しているという事になります。その場合、ハノン等のエチュードを弾くようにして、特に左手を鍛えるエチュードを弾くようにしなければなりません。相当な練習量と相当な期間(3ヶ月以上)が必要になると思います。

仮に上記の練習が功を奏した場合、3ー4小節間の左手は、pから少しずつクレシェンドをかけていきます。平坦にならないように注意します(7小節目の左手 Aに向かっていく感じを出します)。

執筆者: 大井 和郎

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