モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第13番 第1楽章 K.333 K6.315c
Mozart, Wolfgang Amadeus : Sonate für Klavier Nr.13 Mov.1 Allegro
作品概要
解説 (2)
解説 : 岡田 安樹浩
(377 文字)
更新日:2019年3月5日
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解説 : 岡田 安樹浩 (377 文字)
第1楽章 変ロ調長 4分の4拍子 ソナタ形式
アポジャトゥーラと旋律の下降線が特徴的な主要主題は、楽章全体の性格を決定づけている。順次下降音型によって開始される最初の副次主題(第23小節~)と、分散和音下降を特徴とするもう一方の副次主題(第39小節~)は、主要主題から紡ぎだされたと考えて良いかもしれない。
後半部分(第64小節~)は、主要主題によって属調のヘ長調で開始されるが、すぐにアルベルティ・バスの上に即興的なパッセージが展開する。ヘ短調、ハ短調、ト短調と属調への転調を繰り返し、主調である変ロ長調の属和音へ至る。同主短調の音である変ト音がシグナルのように挿入されつつ、主要主題の再現となる(第94小節~)。2つの副次主題も主調で再現され(第119小節~/第135小節~)、前半(提示部)と同様のコーダ(第59小節~/第161小節~)で楽章を閉じる。
演奏のヒント : 大井 和郎
(749 文字)
更新日:2025年7月21日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (749 文字)
とても楽天的で、オペラ的な第1楽章です。ムードは大変平和で、深刻な要素はありません。数人の女性歌手や男性歌手が歌っている様子をイメージして弾いて下さい。
この第1楽章を弾くコツはとにかく、「非和声音を感じる」事に尽きます。例えば1小節目1拍目右手のC、2小節目1拍目右手F、3小節目1拍目右手B、4小節目1拍目右手AC、は全て非和声音です。仮にこれらの非和声音を抜かして(取って)弾いてみて下さい。非和声音を抜かすと、メロディーは、冒頭から、FEsDCB DGDEs EsDCBA ABCD となります。それでも音楽としては成り立ちますが、オリジナルに比べると実に味気が無い事がわかります。つまり、これらの非和声音は、曲に、ある種の刺激を与えていて、それは、おしゃれな刺激かもしれないし、誘惑的かもしれません。これらの非和声音を大切に感じて弾くことが大事です。
難所を2つ紹介します。1箇所目43〜44小節間の右手オクターブです。これらのオクターブは切れ目無く、乱暴にならず、ペダルでスムーズに、そして自然に弾いて下さい。その際のペダルは、オクターブが次のオクターブに移る寸前に「一瞬だけ」、つまりは左手の3つの8分音符の最後の音から踏みます(そうする事で左手が濁りません)。
もう1箇所は、150小節目の右手のトリルです。これは、各拍につき、3つのトリルで十分です。1拍目を例に取ると、DEsD F で良いです。もっと音数を沢山入れる奏者もいますが、ある程度のテンポでそれを入れるのは大変困難ですので、上記の方法で大丈夫です。
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