ハイドン :ソナタ 第33番 第1楽章 Hob.XVI:20 op.30-6
Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.33 Mov.1 Moderato
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:発展4 発展5 展開1 展開2 展開3
解説 : 稲田 小絵子 (121文字)
不安気な響きの第1主題が4+4という標準的な小節数であるのに対し、第2主題は3小節単位の楽節構造(間に1小節の推移的小節を挟むこともある)で自由な動きをとる。展開部では、提示部コーダの素材である嵐のような三連符が中心に用いられ、緊迫感を煽る。
演奏のヒント : 大井 和郎 (381文字)
テンポが狂いやすい第1楽章です。演奏のヒントは「テンポを1つにする」事に尽きます。音が少ないところはテンポを速め、音が多くなるところはテンポを緩め、という様な演奏は理に適っていません。多くの音があり、演奏に困難な箇所のテンポを全体の基本のテンポとして設定します。
例えば、28小節目のような、ターンや細かいリズムが苦しくなく弾けるようなテンポを選び、そのテンポに合わせて、1小節目からスタートしてください。1小節目は音数が少なくて、演奏は困難ではありませんが、だからと言ってテンポを速くしたりしないようにします。自身が指揮者になったつもりで、音楽をコンダクトしてみてください。
曲は、ハイドン特有のユーモアは見られず、深刻な一面も垣間見られる曲です。途中、ドラマティックな一面もあります。しかしながらテンポを1つにすることで、より一層、ドラマティックになるはずです。
ソナタ 第33番(ウィーン原典版番号) 第1楽章
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