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ハイドン :ソナタ 第60番 第3楽章 Hob.XVI:50 op.79

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.60 Mov.3 Allegro molto

作品概要

楽曲ID:32254
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:2分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:7件
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解説 (2)

解説 : 大井 和郎 (737文字)

更新日:2025年5月30日
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冒頭3小節がこの第3楽章のメインの素材です。この素材が多くの形に変化していきます。そして最終的にたどり着くのが75小節目の素材です。これは喜びと安定の描写です。この第3楽章のピークポイントになる部分です。

この第3楽章全体が喜劇的要素を含んでいて、短調に転調しようが、半音階的進行をしようが、深刻になる事はありません。むしろ、冗談を言ってからかっているような、「軽い乗り」 と考えます。

この第3楽章は、実にフェルマータの数が多く書かれています。つまりは、そこで音楽が一度止まることになるのですが、例えば11小節目をご覧下さい。このフェルマータは1拍目4分休符の上に書かれています。2拍目に音符が書かれてあれば、奏者がどの位長くフェルマータの時間を取ったのかはわかるのですが、休符があるため、聴いている側は、奏者がどの位長くフェルマータを取っていたのか全く解らなくなります。

そして12小節目にメインの素材が始まれば、ここは聴いたことのある素材ですので、ここで拍をカウントできるようになります。この第3楽章に書かれている全てのフェルマータは、必ず次に、メインの素材が来ることにお気づきでしょうか?どの位長くフェルマータを取ったかは、メインの素材が来るまで判らないのですが、その辺りは気にしなくても大丈夫です。

メインの素材の手前のフェルマータにより、音が消えて、はっとさせられる瞬間を作っています。人を不安にさせたり、安心させたり、驚かせたりする特殊効果ですので、いたずら心として、そのようにお考え下さい。

執筆者: 大井 和郎

解説 : 齊藤 紀子 (96文字)

更新日:2020年2月9日
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