close

ハイドン :ソナタ 第62番 第2楽章 Hob.XVI:52 op.82

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.62 Mov.2 Adagio

作品概要

楽曲ID:32258
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:6分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:8件
  • クリックして画像を開く
  • tab

解説 (2)

解説 : 大井 和郎 (713文字)

更新日:2025年5月30日
[開く]

オペラのアリアと考えて良い第2楽章ですが、とてもドラマティックな展開があります。増6の和音がドラマティックな場面を演出し、稽留音などが

感傷的な一面を表現しています。33小節目以降はAセクションの繰り返しとなりますが、Aセクションのヴァリエーションと考えます。

この第2楽章は極めて幻想的で、夢の中の世界と考えます。例えば12小節間、この楽章のメインテーマですが、特徴としてはペダルトーン(オルガンポイント)のEが鳴り続けていることで、これによって特別な世界感が出ます。

もしかしたら希望に満ちている感情かも知れませんし、愛の表現かもしれません。そしてこのメインテーマは、いつ何時でも現れ、その場その場を元に戻します。例えば、2932小節間の深刻なドラマが起こったとしても、33小節にこのテーマが帰って来ます。そしてメインテーマが突然帰ってきたことに何故か不自然さを感じさせません。

9小節目、ドラマティックな展開が始まり、10小節目でC-durに転調したと分析する人もいるかもしれませんが、11小節目3拍目のAisが来ることで、再びE-durを予感させます。この11小節目は稽留音が連続しており、感傷的なドラマがあり、12小節目でカデンツを迎えますが、ここもAisが稽留音になっています。

奏者はこれら全てのセクションに対して、異なった感情を持ってそれぞれを演出して下さい。個人的には、基本的なタイミングさえ守れば、多少の即興性があっても良いと思います。

執筆者: 大井 和郎

解説 : 齊藤 紀子 (146文字)

更新日:2020年2月9日
[開く]