シュルホフ, エルヴィン : フルート、ピアノと管弦楽のための二重協奏曲(3楽章)
Schulhoff, Ervin : Dopperkonzert für Flote, Klavier und Orchester
作品概要
作曲年:1927年
楽器編成:ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ)
ジャンル:協奏曲
総演奏時間:19分20秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
執筆者 : 小崎 紘一
(574 文字)
更新日:2010年1月1日
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執筆者 : 小崎 紘一 (574 文字)
シュルホフは作曲家であると同時にすぐれたコンサートピアニストであった。当時のラジオではジャズを数多く取り上げていたが、ことクラシックに関しては同時代の作曲家のものを得意としたことでも知られる。大戦間では演奏旅行もしばしば行われている。
1927年1月、訪れたパリで出会ったフルーティストのルネ・ル・ロイとの出会いは彼に実り豊かな霊感を与え、同年、フルートを扱った作品が2曲書き上げられている。ひとつが彼に捧げられた《フルートとピアノのためのソナタ》であり、この《フルート、ピアノと管弦楽のための二重協奏曲》である。
以後数年間にわたってシュルホフとル・ロイはチェコスロバキアの現代音楽を扱った演奏会を開くことになるのだが、この作品も本人たちのヴィルトゥオーゾを念頭に作曲されており、協奏曲である以上にデュオとしての性格が非常に強い。オーケストラは弦楽合奏とホルン2本で構成されている。
技量に任せるかのように独奏楽器はセッションを思わせる自由度の高い旋律を奏でている。他方管弦楽は寧ろ古典的な様式で性格づけられており、楽章毎に互いの距離の置きかたを変えており、そのコントラストは実に鮮やかである。
第一楽章 Allegro moderato
第二楽章 Andante
第三楽章 Rondo(Allegro con spirito)-Tempo di blues