ブレスラウアー :やさしいピアノ小品集 順々に Op.46-1
Breslaur, Emil:Die leichtesten Klavierstucke Einer nach dem andern Op.46-1
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:導入3 基礎1 基礎2
解説文 : 熊本 陵平 (406文字)
一部形式(a[1から4小節]+a1[5から8小節])である。
冒頭、「Tonumfang 音域」とある部分は手のポジションを表しており、ドからソまでの5音に1から5までの指番号が当てられている。作曲者は教育者として生徒のために易しいピアノ楽曲を多数作曲していたと言われているが、この作品もこうした手のポジションへの配慮が記されていることからも教育的楽曲だということが分かる。
主題の特徴として、2声部が模倣されており、左手にもニュアンスをつける必要がある。特に左右が重なる7小節目では左手が途端に伴奏化して無味乾燥にならないように前小節からメロディの一部として音を滑らかに繋いで表現することが、より音楽的な表現へのアプローチとなるだろう。
解説 : 大井 和郎 (514文字)
この曲は守られるべき2つの重要な課題があります。1つは、如何にレガートにラインを弾くかということです。どのようにして、横にラインを流すかという課題です。コツとしては、向かって行くべき音を認識します。例えば、1小節目から始まるフレーズは、2小節目の右手Gの全音符に向かうと仮定します。その場合、それまでの、E D C E という4つの音が全て同じ音量で平坦になる事が最も避けたい事です。Gに向かって導かれるように弾いて下さい。
もう1つの重要な課題は、2声を独立させることです。もしも最初のフレーズのゴールが2小節目のGだとして、そのGの音量が今までで最も大きいとしても、2小節目左手のEは、別声部で、これから始まろうとしているフレーズです。このEを右手につられて大きく弾いてしまってはいけません。2小節目から始める左手のフレーズは、3小節目の全音符Gが、向かいたい音ですので、最初は弱く始めるようにします。このように、各声部の独立も重要な課題になります。
【2025ピティナコンペ課題曲】順々に
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