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モーツァルト :ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 K.309 K6.284b

Mozart, Wolfgang Amadeus:Sonate für Klavier Nr.7 C-Dur K.309 K6.284b

作品概要

楽曲ID:292
作曲年:1777年 
出版年:1781年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:18分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 岡田 安樹浩 (1314文字)

更新日:2009年10月1日
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1777年10月、モーツァルトはパリへ向かう旅の途中、アウグスブルクにてシュタインの楽器工房に立ち寄り非常に質の高いフォルテピアノと出会った。このことは、少なからずモーツァルトの(フォルテ)ピアノ・ソナタ創作に影響を与えたと考えられる。

アウグスブルクを経て10月下旬にマンハイムへ到着したモーツァルトは、当地の宮廷音楽家たちと交流を深めた。ことにクリスティアン・カンナビヒとは親しくなり、11月4日付けで父親へ宛てた手紙の中には、彼の娘ロジーナのためにソナタを作曲している旨が伝えられている。

ただし、このソナタがローザのために作曲されたものと本当に同一のものか、確固たる証拠はない。モーツァルトは、ザルツブルクの父親宛てにこのソナタを送付しており、当地で写譜されたことも確かである。郵送に際して折り目がついたであろう自筆譜が、モーツァルトの他のどのソナタにも残されていないので、自筆譜の消失しているこのソナタがそれに当たる可能性は勿論あり得る。しかし最近の研究では、このソナタが作曲されたのは11月から12月にかけてであり、10月から11月にかけて作曲されたとされるK.311の二長調ソナタのほうが、これに当たるという説もある。

いずれにせよ、このK.309とK.311はマンハイムでほぼ同時期に作曲された。両ソナタには、それを裏付けるように様式面での親近性が認められる。

第1楽章 ハ長調 4分の4拍子 ソナタ形式

オーケストラのトゥッティを想起させるような力強い冒頭と、それに呼応して流れ出す弱奏のメロディーによる主要主題、属調での軽快な副次主題(第35小節~)もつ。

後半(展開部)が属調の平行短調による主要主題で開始されるのは、モーツァルトの常套手段である。主要主題とコーダの動機を素材として、二短調、イ短調を経て主要主題の主調再現(第94小節~)を迎える。

副次主題の主調再現(第129小節~)を経て、コーダにおいて、冒頭動機がふたたびあらわれて楽章を締めくくる。

第2楽章 ヘ長調 4分の3拍子

付点リズムが特徴的な主題による変奏曲。最初の変奏(第17小節~)では前打音や32分音符によって装飾が施される。属調のエピソード(第33小節~)をはさみ、第2の変奏(第45小節~)では主題の付点リズムが逆転し、音階パッセージによる装飾的変奏が施されるほか、旋律がオクターヴ化されて華やかさを添えるが、後半部分が省略されて属調のエピソード主題の変奏(第53小節~)となる。トリルをともなった付点リズムや16分3連音符によるバス声部による推進力にある変奏に続いて、さらに技巧的なパッセージを織り込んだ最後の主題変奏(第65小節~)となる。

第3楽章 ハ長調 4分の2拍子 ロンド

単純な和声の分散和音に支えられた、軽快な主題によるロンド。しかし形式的には非常に自由であり、あたかも即興演奏の中から生み出されたようである。ロンド主題の回帰は、すぐに16分3連音符によるパッセージや、属音のトレモロを背景とするクープレ主題へと接続され、ロンド主題そのものよりも、むしろ即興的なパッセージの披露と、さまざまな動機の展開に主眼が置かれているようである。

執筆者: 岡田 安樹浩

楽章等 (3)

第1楽章

調:ハ長調  総演奏時間:5分30秒 

第2楽章

総演奏時間:6分30秒 

第3楽章

総演奏時間:6分00秒  コンペ課題曲:E級級 ステップレベル:発展4,発展5,展開1,展開2,展開3

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